イタリアを代表する老舗として名高い『Enzo Bonafe』は、1963年創立。
エンツォ・ボナフェは50年以上、靴の世界に身を置く職人中の職人で在り、1963年に自らの名前を冠し、靴作りを開始するまで、イタリアの高級靴メーカーの一つ『ア・テストーニ』で靴職人としての経験を積みました。
ボローニャに工房を持ち、高いクオリティと靴作りに対する真摯な姿勢は、ボナフェ・ファミリー他、10名程の小規模な靴工房で、グッドイヤー・ア・マーノ製法（ハンドソーン・ウェルト⇒手縫いのグッドイヤー・ウェルト）によって、インソールを、"ドブ起こし"してウェルトを手で縫い上げて行く等、手の込んだ工程を経ている事からも拘りが窺えます。
又、ボナフェの特質すべき点はインソールに7ミリ厚程の革を使用する事で充填材は使っていない事。
クオリティに細かく気を配り、職人芸を実現し保ち続けることが『Enzo Bonafe』のポリシーでもあります。
有名な所では、かのローマ法王も愛用し、イタリアが共和国となり40周年を記念する際、イタリアにとって重要な企業、イタリア文化振興に寄与した企業に大統領より金メダルが贈呈され"ENZO BONAFE"も100社の内の1社に選ばれるなどが在ります。
仕様
今回当店がオーダーした一足は、Enzo Bonafeの木型の中でもドレスシューズに主に使われる木型BONJUを用い、クラシックな趣と紳士的な印象を与えるサイドエラスティックブーツです。
立体的なアッパーの形状は足を入れた時に感じる極上のフィット感を持ち、使用している英国の老舗タンナー”チャールズ・F・ステッド社”製のスーパーバック（牡鹿革）が足を包み込むような丸みを作り出します。
トゥは完全なラウンドではなく仄かに角を持ち、このトゥの形状からもクラシックな表情が作られています。
また近年ショートブーツの存在はセットアップやウールのトラウザーズなどと組み合わせられる事も多く、カジュアル顔の物ではなく、あくまでも紳士的な顔を持つブーツが求められています。
アウトソールの縫い上げは、ブレイク製法を採用しており、ダイナイトソール（Golf）を合わせているにも関わらず、一般的なゴムソールの物に比べ、ドレスシューズの様な厚み（薄さ）を作り出す事によって、よりレザーソールの物に近い見た目、履き心地に仕上がっています。
（グッドイヤーウェルテッドと、マッケイの良い部分を組み合わせる事により、反りが良く歩き易さも作り出しています。）
今回のサイドエラスティックブーツはオンオフ問わず男性の足元を素敵に飾ってくれる唯一無二の存在として、日常の装いにクラス感を与えてくれるものになりそうです。
Enzo Bonafeは、昨今のイタリアに於いて、多くの職人が集う本格的なシューメーカーの中で数少ない九分仕立てを守り続ける希少なメーカーとなっています。
作りやアイデンティティはもちろん、昔ながらのクラシックな靴作りを続けるボナフェの素晴らしさを是非とも触れて頂きたい一足です。
カラーはHolborn（ダークブラウン）になります。
仕様詳細
アッパー/英・チャールズ・F・ステッド社製スーパーバック（牡鹿革）
ソール/Golf（ダイナイトソール）
ソール製法/ブレイク製法
素材
アッパー：レザー
ソール：合成
イタリア製
SIZE
5H：アウトソール約28�� / 最大幅部約10�� / ヒール高約2.8��
6：アウトソール約28.4�� / 最大幅部約10�� / ヒール高約2.8��
6H：アウトソール約28.8�� / 最大幅部約10�� / ヒール高約2.8��
7：アウトソール約29�� / 最大幅部約10�� / ヒール高約2.8��
7H：アウトソール約29.6�� / 最大幅部約10.3�� / ヒール高約2.8��
8：アウトソール約30�� / 最大幅部約10.3�� / ヒール高約2.8��
8H：アウトソール約30.4�� / 最大幅部約10�� / ヒール高約2.8��
※靴の形状上、爪先に僅かな捨て寸を持ちます。
（※採寸には実寸を行っており、細心の注意を払っておりますが、素材特性などにより、若干の誤差が発生してしまう場合が御座います。 予めご容赦下さい。）
付属品
専用シューホーン、専用布袋、専用化粧箱
補足
質感：スーパーバック（牡鹿革）特有のしなやかな柔らかさと非常に短い毛足があります。
スタッフによるコメント：使用する木型BONJUは、モンクストラップシューズなどにも使われる事があり、クラシックなドレスシューズに多く用いられる木型がベースになる事によって、アウトドア一辺倒のブーツの中で、スーツや上品なボトムスにも相性が良くスタイルする事が出来ます。
昨今様々なショートブーツの組み合わせが増え続けている男性の装いの中で、よりスタイリッシュに見せる一足としてお勧めしています。
